国際地域看護研究会

2024年11月06日

2024年度第3回定例会を開催いたしました

2024年10月19日に、第3回定例会を開催しました。
今回は、小笠原理恵先生(大阪大学大学院特任講師)より、「日本社会のマイノリティヘルスー中国帰国者の高齢化を中心に」と題し、ご発表いただきました。

マイノリティ住民には、言葉の壁、こころの壁、制度の壁の3つの障壁があり、第二次世界大戦後に中国から帰国した、中国帰国者にも同様の壁がみられます。
中国帰国者へは終戦から36年経ってから本格的な帰国支援が開始されており、帰国後の支援は充足されてはいません。
医療現場において、中国帰国者は、医師との対話不足、適切、あるいは希望する治療につながっていない、といった課題がみられます。
小笠原先生の調査からは、日本に帰国した後に同化政策が行われていたことも影響し、郷に入っては郷に従え、との考えから、中国帰国者は従順になることで日本に適応するよう試みてきましたが、
同化政策は主体性の欠如がもたらす脆弱性に繋がっていました。

マージナル(境界)な集団にこそ、本質的な課題が集約されています。
中国帰国者の抱える課題は、誰一人取り残されない社会を実現するために必要な課題が集約されています。

国際地域看護研究会では、看護系教員、実践家、研究者、大学学部生、大学院生など様々なキャリアの方々が参加されています。
どうぞお気軽にご参加ください。